中3の先生へ:11月は「勉強のモチベーション」が落ちる時期です
10月の文化祭や体育大会が終わり、クラスの雰囲気が少し落ち着いてきた頃。
一方で、教室を見渡すと——
「最近、集中できていないな」「受験へのスイッチが入らないな」と感じる生徒も増えていませんか?
実は、11月は中学3年生の勉強へのモチベーションが最も下がりやすい時期です。
理由はシンプル。目標である「受験」が近づいているのに、まだ結果が見えず不安が増すから。
その不安とプレッシャーが、「やる気が出ない…」という気持ちにつながってしまうのです。
でも、先生方はご存じの通り——
この11月こそ、生徒の心に“火を灯す”チャンス🔥。
ただ「頑張れ」と声をかけても届かない時期だからこそ、
「なぜ勉強するのか?」という原点に立ち返るメッセージを届けることが大切です。
進路通信は、そんなタイミングで生徒の心を動かす“きっかけ”になります。
そこで今回は、そのまま使える進路通信の例文と、
11月に配ることでより効果的になる書き方のコツを紹介します。
✅ この記事を読めば、
- どんな内容を伝えると生徒のやる気が戻るのか
- 読みたくなる進路通信の書き方
- そして「11月配布」が最も効果的な理由
が、すべて分かります。
【ポイント】11月の進路通信で伝えるべきテーマは「勉強の目的」🎯
11月の進路通信でいちばん大切なのは、**「勉強の目的を考えさせること」**です。
この時期の中学3年生は、進路決定や願書の準備、面接練習などで“忙しさの波”にのみこまれがち。
しかし、忙しさの裏で本当によく聞かれるのが、
「勉強はしないといけないけど、やる気がでない・・」というつぶやきです。
この一言には、努力の意味を見失ったサインが隠れています。
つまり、「やらなきゃいけないこと」は分かっていても、
「なぜそれをやるのか」という目的意識がぼやけているのです。
💬 “やる気がない”のではなく、“意味が見えない”だけ
多くの先生が「この時期になるとやる気が下がる」と感じますが、
実際には、生徒の心の中からやる気そのものが消えたわけではありません。
本当は頑張りたいし、未来も気になっている。
でも、今やっている勉強が「自分の未来とどうつながっているのか」が見えなくなると、
人は誰でも動けなくなるものです。
それは、ゴールのないマラソンを走っているようなもの。
「何のために走るのか?」が分からないままでは、ペースも保てません。
だからこそ、進路通信では「勉強=目的を叶える手段」であることを伝えることが大切です。
🌱 “合格”よりも先に見せたいのは「未来の自分」
11月の進路通信では、「合格」「内申」といった言葉よりも、
「どんな未来を生きたいか」に目を向けさせましょう。
受験の目的が“合格すること”になってしまうと、
勉強が一時的な苦行に感じられてしまいます。
でも、「将来こんな仕事をしたい」「こんな大人になりたい」という
自分なりの未来像が描ければ、勉強は“自分の夢に近づくための準備”になります。
その瞬間、勉強は義務から「自分で選んだ行動」に変わるのです。
✨ 通信で伝えるメッセージの方向性
先生が進路通信で届けたいのは、「頑張れ」ではなく「考えよう」です。
生徒が**“自分ごと”として未来を考えられる言葉**を選びましょう。
✅ 「なぜ勉強するのか?」を一緒に考える構成にする
✅ 押しつけではなく、問いかける文体で書く
✅ 「あなたの未来」というキーワードを自然に入れる
こうした通信は、読む生徒だけでなく、書く先生自身の原点も思い出させてくれます。
だからこそ、11月は「勉強の目的」をテーマにした進路通信が最も効果的なのです。
【例文あり】そのまま使える進路通信文:「あなたは、何のために勉強するのでしょうか?」✍️
11月の進路通信では、「勉強の目的」を生徒自身に問いかける文章がとても効果的です。
ここでは、元教師として実際に教室で使っていた内容をそのまま紹介します。
文章構成・語り口・比喩の使い方まで完成されているので、通信にコピペして配布してもOKです。
📄 進路通信 例文(以下そのまま使える文章)
あなたは、何のために勉強するのでしょうか?
「勉強しなさい」という言葉が、どうしてこんなにも嫌に感じるのでしょうか。
それは“目的もわからないまま、ただ強制されているように思えるから”ではないでしょうか。
まるで誰かに言われたからやるだけの、意味のない作業のように感じてしまうのです。
でも、本来勉強とは、目的を達成するための“手段”です。
目的がないまま手段だけを押しつけられても、やる気は出ませんし、面白くもありません。
たとえば、あなたが「カレーを食べたい!」と思ったとき、ジャガイモやニンジンを切るのはそのための準備ですよね。
食べたいという気持ちがあるから、手間のかかる作業も頑張れるのです。
でも、何を作るかも知らされずに、ただ「ジャガイモを切りなさい」「毎日切り続けなさい」と言われたらどうでしょうか。
意味がわかりませんし、つまらないですよね。
そんな状況なら、ジャガイモを切るのをサボって、TikTokやインスタ、YouTubeを見たくなるのも当然だと思います。
勉強も、それとまったく同じです。
あなた自身が「何を食べたいか」、つまり「何をしたいか」がはっきりしていないまま勉強しても、面白くありませんし、続きません。
だからこそ、まずは「自分は何を目指しているのか」「どんな未来を描いているのか」を考えることが大切なのです。
「じゃあ、何のために勉強するか教えてよ!」と思うかもしれません。
でも、それを誰かに決めてもらうのって、ちょっと違いますよね。
今日、今この瞬間に「自分が何を食べたいか」を自分で選びたい。
それが本音ではないでしょうか。
私たち大人や先生ができることは、世の中にはどんな料理(=仕事や生き方)があって、
それを作るにはどんな材料や方法(=学びや進路)が必要なのかを伝えることです。
つまり、レシピを紹介することなのです。
進路指導というのは、「この高校に行けば、こんな料理が作れるよ」というレシピの提案です。
でも、最終的に「何を食べたいか」「どんな人生を送りたいか」を決めるのは、あなた自身です。
その目的が見えたとき、勉強はただの苦行ではなくなります。
自分の未来をつくるための、大切な準備になるのです。
だから、もう一度お聞きします。
あなたは、何を作って食べたいのでしょうか?
あなたは、何のために勉強するのでしょうか?
受験まで時間がないかもしれません。
でも、今こそ考えてみてください。
受験までの道のりの中で、今日が一番残りの日数が多い日なのですから。
📌 使い方のヒント
- 学年通信や進路通信にそのまま掲載してOK。
- 最後の問いかけをクラスでの話し合い活動や作文テーマにしても効果的です。
- 文章のトーンを自分の言葉に変えても構いません。大切なのは**「生徒自身が考える時間をつくること」**です。
【解説】この通信文が生徒の心に響く3つの理由 💡
この通信文が生徒の心に届く理由は、単に内容が良いからではありません。読み手の気持ちを動かす“伝え方”の設計に秘密があります。ここでは、特に印象的な3つのポイントを解説します✨
① たとえ話が秀逸🍛:カレーづくりの比喩で「目的と手段」の関係を直感的に理解できる
通信文の中で登場する“カレーづくり”のたとえ話は、単なる例えではなく、抽象的な概念を身近な行為に置き換える力を持っています。
「目的(おいしいカレーを作る)」と「手段(材料を切る・煮込む)」を結びつけることで、生徒は「勉強=目的のための手段」という構造を自然と理解できるのです。
たとえ話の巧みさは、教師の説明ではなく、生徒自身の“納得感”を引き出します。頭で理解するのではなく、「なるほど、そういうことか」と心で理解させる——それが教育文の本当の力です。
② 問いかけで主体性を刺激🗣️:「あなたはどう思う?」という形で受け身にさせない
通信文の終盤に登場する問いかけの一文が、読む生徒を“思考の主人公”に変えています。
「あなたはどう思う?」「自分ならどうするだろう?」という一言があるだけで、読み手は無意識に考え始めるのです。
これは、教師が一方的に語る“伝達型の文章”ではなく、**生徒と対話する“対話型の文章”**になっているということ。
まさに、授業での「話し合い活動」と同じ構造です。教師が答えを与えるのではなく、考える余白を残す——その余白こそが、生徒の心を動かします💭
③ 教師の押しつけにならない🤝:“教える”より“考えるきっかけ”を与える構成
この通信は、読むほどに**“押しつけ”が感じられない文章**です。
「こうしなさい」「こうあるべき」という指示的な文体ではなく、あくまで“共に考える姿勢”で書かれています。
たとえば、「今の自分を少し振り返ってみよう」「小さな一歩からでいい」という表現が多く使われ、読者の自己決定感を大切にしているのです。
結果として、生徒たちは「読まされている」のではなく、「自分から読みたくなる」。その感情の違いこそ、学びへの入口になります🌱
👉 つまり、この通信文の本当の魅力は、“語りかけるような文体”にあります。
教師の言葉が教室の空気のように自然に届き、プリントが“読むもの”から“感じるもの”に変わる。
「先生が書いたプリントなのに、読んでみたくなる」——そんな温度感のある文章こそ、これからの教育現場で求められる“伝える力”なのです📖✨
【まとめ】進路通信は「進路情報」だけでなく「心の支え」にもなる 🌱
進路通信というと、多くの先生が「高校入試の情報を伝えるプリント」だと考えがちです。
しかし、本来それだけではありません。進路通信は、情報伝達ツールであると同時に、“先生の想い”を届ける手紙なのです💌
受験を控えた中学3年生たちは、日々の勉強や将来への不安に揺れながら過ごしています。そんな時期に手渡される通信には、先生のたった一言が生徒の心を支える力を持っています。
「今の自分でも大丈夫なんだ」「頑張ってみようかな」——そう思えるきっかけを、文字を通して届けることができるのです。
通信をつくる先生自身にとっても、それは**「何のために働くのか」を見つめ直す機会になります。
「生徒たちの未来を応援したい」「自分の言葉で勇気づけたい」——そうした原点に立ち返ることで、通信づくりがただの業務ではなく、“教育の一部”としての意味**を帯びていきます。
そして何より、進路通信は生徒の心に残る“言葉の贈り物”🎁です。
プリントの束の中で一枚だけでも、「あの時、先生に言われた言葉がずっと残っている」と思ってもらえるものを届けたい。
それは派手な言葉ではなく、温かく、静かに寄り添う言葉で十分なのです。
進路通信は「進路指導の一環」ではなく、“人と人とのつながりを紡ぐ時間”。
その想いを込めて書かれた一枚は、きっと生徒の未来に小さな光をともすはずです✨
✅ POINT
- 情報よりも「想い」を届ける。
- 一方的に伝えるのではなく「語りかける」。
- 生徒の“今”を支える通信にする。
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