初任者の先生へ。「話しかけづらい子」「苦手な子」がいても大丈夫です。
先生として教壇に立ち始めたばかりの頃、「あの子にはどうしても話しかけづらい…」
そんなふうに感じた経験、ありませんか?
実はこの悩み、初任者に限らず、ベテランの先生でも多くの人が抱えています。
- 話しかけても返事が返ってこない
- 目をそらされてしまう
- どう接したらいいのか分からない…
こういった状況に直面すると、自分に非があるのでは?と不安になることもあるでしょう。
でも、安心してください。話しかけづらさを感じることは「先生としてダメ」なわけではありません。
むしろ、その違和感や戸惑いをどう捉えて向き合うかが、信頼される教師としての第一歩なんです。
この記事では、元教師の私が実践して効果を感じた、「話しかけづらい子」との距離を縮める具体的な会話のコツをご紹介します。
話しかけづらい子・苦手な子がいるのは“普通のこと”
👨🏫「あの子がちょっと苦手…」
👩🏫「どうしても心が通わない気がする…」
そんな気持ちを持つことは、決して悪いことではありません。人間には相性があります。
教師だって人間ですから、「全員と同じように接することが難しい」と感じるのは当然です。
しかし、教師という立場では**「好き・苦手」ではなく、「信頼関係」を築くことが最優先**になります。
苦手な子とも、最低限の安心感と信頼感をもとに関わることができれば、
クラス運営はずっとスムーズになります。
大切なのは、自分の感情を否定しすぎず、「どうしたらこの子と少しずつ距離を縮められるかな?」と考えて行動することです。
信頼関係は“第一声”から始まる|効果的な話し方の4ステップ
では、実際にどうすれば話しかけづらい子と関係を築けるのか?
ここで、私が実践してきた**「4つのステップ」を紹介します。**
👀① 子どもと目を合わせる
まずは、声をかける前に目を合わせることを意識しましょう。
目を合わせるというのは、言葉にしなくても「あなたに関心がありますよ」というメッセージを伝える行為です。
教室の中で子どもたちの様子を見ながら、そっと視線を送ってみてください。
無理に凝視する必要はありません。やさしく見守る視線で、子どもがこちらを見るのを待つだけでも大丈夫です。
📣② 軽く微笑んで名前を呼ぶ
目が合ったら、軽く微笑んで、その子の名前を呼びます。
名前を呼ぶだけで、子どもは**「自分の存在を認識してもらえている」という安心感**を得られます。
💡たとえば
「○○さん、おはよう」
「○○くん、今日元気そうだね」
それだけでも十分です。返事がなくても落ち込まず、まずは習慣化してみましょう。
💬③ 短く・ゆっくり話す
話しかけるときの声のトーンとスピードも大切です。
- 早口だと緊張させてしまう
- 長い話だと聞きづらい
そんなことを避けるために、**「短く・ゆっくり」**を意識しましょう。
✅ 例
「今日、○○持ってきた?」
「これ、使っていいよ」
一言だけでも、その子にとっては「先生が話してくれた」という記憶になります。
❓④ 話題がないときは、些細な質問をする
「何を話せばいいかわからない…」というときは、どんな些細なことでも話題になります。
- 「そのシャーペン、使いやすい?」
- 「きょうの給食、好きなメニューあった?」
- 「昨日、家でゆっくりできた?」
ポイントは、答えやすい「YES/NO」で返せる質問にすること。
最初から深い話題を狙うよりも、“会話の習慣”をつくることが目的です。
☀️関係づくりで最も大事なのは“笑顔”だった
「先生、何を話せばいいか分からないです…」
これは初任者からよく聞かれる言葉です。
でも大丈夫。実は、「何を話すか」よりも「どんな表情で話すか」の方がずっと大切なんです。
私自身も、話題を探すのに必死だった頃、子どもに「先生ってなんか怖い…」と言われたことがありました。
そのときハッと気づいたのが、表情の力です。
🟡 笑顔で話すだけで
🟡 声のトーンをやわらかくするだけで
🟡 身をかがめて目線を合わせるだけで
子どもたちの反応がまったく違ってきます。
「話す内容」よりも「安心できる空気づくり」が信頼関係の土台になると、身をもって実感しました。
関係づくりがうまくいくと、クラスが変わる
話しかけづらかった子と少しずつ関係ができてくると、教室全体の空気にも変化が表れます。
- 授業中にうなずく回数が増える
- 目が合うようになる
- 小さくても反応が返ってくる
こうした小さな変化は、教師としての喜びそのものです。
また、他の子どもたちもその変化を感じ取り、クラスの一体感が高まっていくのです。
👣あなたの一歩が、子どもたちの心を変えていきます。
苦手意識より、“笑顔で一歩踏み出す勇気”を
先生として最初の一年間は、慣れないことの連続。
ときには落ち込んだり、迷ったりすることもあるでしょう。
でも、子どもとの関係づくりは「完璧」じゃなくていいんです。
大事なのは、「今日できること」を一つずつ実践していくこと。
- 名前を呼ぶ
- 目を合わせる
- 笑顔を見せる
- 一言だけ話しかけてみる
それだけでも、子どもにとっては「この先生は自分に関心を持ってくれている」と感じられる大切な関わりになります。
🌱 不器用でも、誠実に向き合う姿勢は、必ず伝わります。
あなたの笑顔と声かけが、今日も誰かの心をあたたかくしていますよ。
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