はじめに:緊張してしまうあなたへ、まず伝えたいこと
初任者として教壇に立ったその日から、誰もが感じる「緊張」。
頭が真っ白になって言葉が出てこない、声が震えてしまう、そんな自分にがっかりした経験、ありませんか?
でも、それは**「あなたに教える覚悟がある証」**です。
本当に怖いのは、緊張しないことではなく、何も感じないこと。
僕は10年間、中学校の教壇に立ってきました。多くの初任者を見てきて感じたのは、緊張する人ほど誠実で、生徒想いの素晴らしい先生になるということです。
この記事では、あなたのそんな“まじめさ”を力に変えるための7つのアドバイスをお届けします。
授業で話すのが怖い。うまく伝えられない。そんなあなたのために、実践的かつすぐ使えるコツを詰め込みました。
「緊張=準備不足」じゃない|うまく話そうとしすぎてない?
まず一つ、誤解を解いておきましょう。
「緊張=準備不足」ではありません。
むしろ、真面目な初任者ほど準備をしすぎて、**「うまく話さなきゃ」「失敗できない」**と自分を追い込み、結果として緊張が増しているケースが多いんです。
✔️そんなときは、**「伝えたいことが1つ届けばOK」**というマインドを持ってみてください。
大事なのは、100%完璧な授業じゃありません。
「今日これだけは伝えたい」という1点だけでも生徒に届けば、それは大成功です。
むしろ、あれもこれも伝えようとすると、話が散らかり、聞き手にも伝わりにくくなります。
一番大事なメッセージを明確に持つことで、授業全体がぐっと締まり、自信も生まれます。
話す前に「深呼吸×笑顔」で心と身体を整えよう
「緊張して言葉が出ない…」というあなたに伝えたいのは“身体”から整えるテクニックです。
おすすめは、**「話す直前に5秒間、深呼吸をしながら笑顔をつくる」**という簡単な方法。
🌱なぜこれが効果的なのか?
- ✔️ 深呼吸によって副交感神経が優位になり、脳が落ち着く
- ✔️ 笑顔によって脳が「安心していい」と判断する
- ✔️ 聴き手にもリラックスした印象を与えられる
このたった数秒のルーティンを取り入れるだけで、言葉が自然と出てくるようになります。
笑顔には、不思議な力があります。「緊張してます」と言いながら笑っている先生は、実は一番魅力的に見えるのです。
「スベったらどうしよう」は捨てよう|面白さより誠実さ
話すことに慣れていない初任者ほど、**「ウケなきゃ」「盛り上げなきゃ」**と無理をしがち。
でも、それが緊張の最大の原因になります。
教壇では、笑いを取るより、誠実さが伝わるほうが何倍も大切です。
✅意識すべきはこの3つだけ:
- 伝えたいことを
- 伝えたい順番で
- あなたの言葉で
この3点が守れていれば、聞き手にはしっかり届きます。
スベることを恐れて言いたいことを抑えてしまうよりも、正直に・真っすぐに話すほうが、何倍も好感を持たれます。
話す内容を“3つ”に絞る|授業前メモで整理しよう
緊張する理由のひとつが、**「話す内容が頭の中で整理できていない」**ことです。
その対策として効果的なのが、話す内容を3つに絞って、紙に書き出すこと。
📝おすすめのメモ構成:
- 今日の授業のゴール
- それを学ぶ理由(なぜ学ぶのか)
- 授業のまとめ(振り返りや問い)
この3点に絞ってメモを取っておくだけで、話の流れが明確になります。
「あれも話したい、これも入れなきゃ」と焦る気持ちがなくなり、自然と落ち着いて話せるようになります。
聞いている人は「敵」じゃない。「応援団」だと思ってみて
教室に立つと、「失敗したら笑われるかも…」というプレッシャーを感じますよね。
でも、それはあなたが一方的に感じているだけかもしれません。
多くの生徒や保護者、管理職は、実はあなたを応援しています。
📣授業の最初にこう唱えてみてください:
「聞いてる人は味方」
この一言だけで、心がふっと軽くなります。
聞いている人は、あなたの完璧な言葉よりも、あなたの「真剣さ」や「伝えたい想い」に反応します。
「上手に話す」より、「心を込めて話す」ことを大切にしましょう。
授業のあと、自分を責める癖をやめよう
授業が終わった後、「ああ、うまくできなかった…」と落ち込むことはありませんか?
でも、それは悪い癖です。
反省と自己否定は別物。
🌱自分を育てる正しい振り返りのポイント:
- ✔️「今日うまくいったこと」をまず3つ書く
- ✔️「次回に改善できること」を1つだけ選ぶ
- ✔️それ以外は「今はまだできなくてOK」と受け止める
反省は、成長のための燃料。
でも、自己否定はエネルギーを奪う毒になります。
毎回の授業を完璧にする必要なんてありません。成長していく過程こそが、あなたの物語です。
「自分の声」を録音して聴いてみよう|成長の確認と自信に変える方法
最後に、僕が初任のころにやっていたおすすめの方法をご紹介します。
それは、授業の練習や実践を「録音する」こと。
はじめは「自分の声が気持ち悪い」と感じるかもしれません。
でも、それは誰でも同じ。自分を客観的に見る力こそ、成長への近道です。
🎧録音で得られるメリット:
- ✔️言葉のクセや話し方の癖に気づける
- ✔️「思ったよりちゃんと話せてる」と自信になる
- ✔️改善点が明確になる
練習した分だけ、あなたの声には力が宿ります。
最初の一歩が怖いなら、まずはスマホで自分の名前を話すところから始めてみましょう。
まとめ:緊張していい。あなたの言葉で、あなたの想いを届けて
緊張は、あなたが真剣に向き合っている証です。
「緊張してはいけない」のではなく、「緊張とうまく付き合う」ことが大切です。
✅伝えたいことを1つに絞る
✅深呼吸と笑顔を習慣にする
✅「スベらないこと」より「誠実さ」を意識する
✅聞き手は味方だと考える
✅授業後の振り返りは“反省”であって“自己否定”ではない
完璧でなくていい。今日のあなたの言葉で、誰かの心が動くかもしれない。
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