クラスになじめない子への声かけ|元教師が教える“心を開く言葉”とNGワード

元教師のアドバイス

はじめに|初任の先生にとって「なじめない子」への対応は大きな壁

教員として初めて教壇に立ったとき、**「クラスの輪に入れない子ども」**にどう接すればいいのか、悩んだ経験はありませんか?
私も初任のころ、「あの子にどう声をかければいいのか分からない…」と、何度も職員室で頭を抱えました。

中には、話しかけても返事がない子。
いつも一人で過ごしている子。
周囲との関わりを避ける子もいるかもしれません。

そんな子に、どんな言葉をかければ安心してもらえるのか
この記事では、元教師としての実体験をもとに、**「なじめない子への正しい声かけ」と「避けたい言葉」**を具体的にお伝えします。


【子どもは“安心感”で動き出す|まずは無理をさせない言葉を】

「クラスになじんでほしい」と思う気持ちは、先生として当然のこと。
ですが、「なんとか輪に入れてあげたい」という焦りは、かえって子どもにプレッシャーを与えてしまうこともあります。

子どもにとって大切なのは、安心できる居場所があること
その第一歩となるのが、**日々の何気ない“声かけ”**です。

🟢 例えばこんな言葉は、心の距離を縮めるきっかけになります。

  • ✅「無理にみんなと話さなくていいよ😊」
  • ✅「ここにいてくれるだけで嬉しいよ✨」
  • ✅「○○さんが来てくれて、先生うれしいよ」

これらの言葉は、子どもに**「自分はこの教室にいてもいい存在なんだ」**と感じさせてくれます。

💡ポイントは、「がんばらせる言葉」ではなく、**「そのままの存在を認める言葉」**を使うこと。

「話さなくてもいい」「ただいてくれてありがとう」
――このような声かけが、子どもの心の扉を開くきっかけになるのです。


【“正解の声かけ”はない。でも避けたいNGワードはある】

「じゃあ、何が正解なの?」と聞かれることもありますが実は“正解の声かけ”というものは存在しません

子どもの性格や背景によって、効果的な言葉は変わります。
ただし、「これは避けた方がいい」というNGワードは存在します。

避けたい言葉の例

  • 「なんで話さないの?」
  • 「ちゃんと友達つくろうよ」
  • 「もっとがんばってみようよ」

これらの言葉は、一見励ましのように聞こえても、子どもにとってはプレッシャーになることがほとんどです。

特に、「なんで?」という問いかけは、子どもを責めるニュアンスを含みがちです。
本人も理由がわからず悩んでいる場合もあります。

🟡 代わりにかけたい言葉の例

  • ✅「今日も来てくれてありがとう😊」
  • ✅「○○さんのペースで大丈夫だよ🌱」
  • ✅「気が向いたら、いつでも話しかけてね」

こうした言葉は、子どもが安心してその場にいられる空気をつくります。
安心感があるからこそ、子どもは少しずつ自分から動き出せるようになります。


【焦らず、見守る姿勢が信頼関係をつくる】

子どもに寄り添うときに大切なのは、**「すぐに変化を求めないこと」**です。
毎日同じように見えても、子どもの心の中では少しずつ変化が起きていることがあります。

  • 昨日より、少しだけ目が合った。
  • 朝のあいさつに、うなずいてくれた。
  • 教室にいる時間が少し伸びた。

こうした小さなサインを見逃さず、ゆっくりと信頼関係を築いていくことが大切です。

📌 教師の一言が、子どもの世界を変える力になる。

私がかつて担当した子は、1学期ほとんど話しませんでしたが、卒業式の日に「先生、ありがとう」と手紙をくれました。
言葉に出さなくても、子どもは先生の“寄り添う気持ち”を感じ取っています。


【初任者に伝えたい|“声かけ”に迷ったら思い出してほしいこと】

初任の先生にとって、「あの子にどう接すればいいんだろう…」と迷うことは日常茶飯事です。
そんなときは、自分が子どもだったころ、どんな先生の言葉に救われたかを思い出してみてください。

「おはよう」と声をかけてもらったこと。
ただ見守ってくれたこと。
必要以上に話しかけず、静かにそばにいてくれたこと。

大人になると忘れがちですが、子どもは“心で感じる力”にとても敏感です。

声かけは、「こう言えば絶対にうまくいく」という公式がありません。
でも、子どもの気持ちに寄り添おうとする姿勢があれば、必ず届く日がきます。

焦らなくて大丈夫です。
完璧を目指さなくても大丈夫。
そのままのあなたで、まずはそばにいてあげてください。


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