🎯導入|夏休み直前、先生の“ひとこと”が生徒のやる気を変える
「先生、もうすぐ受験なんですよね…?」
この時期、中学3年生からそんな声が聞こえはじめる頃かもしれません。
部活を引退し、進路の話が本格化し始める夏休み直前や登校日は、生徒たちにとって「本格的に受験生になる」きっかけのタイミングです。
しかし、心の準備が整っている子ばかりではありません。
・「まだ実感がわかない」
・「何から始めればいいのか分からない」
・「今の勉強のやり方で合ってるのか不安」
そんな悩みを抱えている子が多いのも、実はこの時期ならではの特徴です。
そこで大切なのが、先生からのメッセージ=進路通信です。
学校や先生からの“ひとこと”が、生徒の背中を押す大きなきっかけになることもあります。特にこのタイミングでは、勉強習慣の継続や、受験への自覚を育てるような内容が効果的です。
この記事では、
✅ 夏休み前・登校日におすすめの進路通信の書き方のコツ
✅ そのまま使える例文(コピペOK!)
を、元中学校教師の目線から紹介していきます。
✅進路通信を書くときに意識したい「役割」と「タイミング」
進路通信を書くとき、つい「情報をたくさん詰め込もう」と思ってしまいがちです。
しかし実は、役割とタイミングを意識することのほうが、内容以上に大切なんです。
🎯進路通信の役割は2つ!
✔️ 受験生としての自覚を高める
✔️ 夏の学習習慣を定着させる
進路通信は単なるお知らせではなく、生徒の“行動”を変えるためのメッセージツールです。
中3のこの時期は、成績や志望校よりもまず「受験生としてのマインドセット」をつくることが重要です。
特に夏休みは、生活リズムが崩れやすく、モチベーションも下がりやすい時期。そこで通信を通じて「受験ってこうやって向き合っていくものなんだ」と生徒自身が気づくことで、生活習慣と学習習慣の再構築をサポートできます。
📅配布のベストタイミングは「夏休み直前」と「登校日」
進路通信の内容がしっかり伝わるかどうかは、タイミングが大切。
とくにおすすめの配布時期は次の2つです。
⏰① 夏休み直前(三者懇談・終業式の前後)
- 生徒のモチベーションが高まっている
- 保護者と一緒に読むことで、家庭内でも進路意識を共有しやすい
- 「夏に何をするか」が具体的な行動につながりやすい
⏰② 夏休み中の登校日(課題提出・補習日など)
- 夏の勉強が中だるみしやすい時期に、学び直しのきっかけとして効果的
- 学校からの“中間チェック”として機能
- クラス全体の学習ペースに再び火をつける効果も期待できる
💡内容のボリュームより「一点集中」が効果的
いろんなことを伝えたくなる気持ちは分かります。
しかし、進路通信は「印象に残る」ことが何より大事。
そのためには、以下のようにメッセージを1つに絞る構成を意識しましょう。
✅ 導入:「受験生として意識し始める今、君に伝えたいこと」
✅ 課題提起:「このままでいいのか? 勉強の方法は合ってる?」
✅ 行動のヒント:「分からない所を分析し、克服することが大事」
✅ 応援メッセージ:「君は一人じゃない!先生はずっと応援しているよ」
これができるだけでも、読みやすさ・伝わりやすさ・記憶への残り方が全然違います。
✅「読みたくなる通信」にするためのデザイン・構成のコツ
せっかく思いを込めて進路通信を書いても、読んでもらえなければ意味がありません。
生徒や保護者にしっかり読んでもらうには、「デザイン」と「構成」が重要です。
ここでは、読み手の目を引く工夫と“読まれる構成”をつくる3つのコツをご紹介します。
🎨① 見た目で伝わる工夫をする
✔️ A4、B5一枚にまとめる
進路通信は、文字だらけにしないことが鉄則です。読む側の立場に立って、1ページ以内+余白ありのレイアウトを心がけましょう。
✔️ 強調ポイントには太字や下線を
「一番伝えたい言葉」や「次に取るべき行動」は、太字や✅マークで目立たせると、パッと見て伝わります。
✔️ 絵文字や記号を使ってリズムをつける
⚠️ 使いすぎは逆効果ですが、🔍や✍️などを活用すると、注目ポイントや要点が視覚的に伝わりやすくなります。
🧭② 見出しで全体像を伝える
読む前に「何が書いてあるか」がわかると、読む側の心理的ハードルが下がります。
そのために有効なのが、小見出し(サブタイトル)をつけること。
たとえば:
コピーする編集する受験まであと半年──今の頑張りが未来を変える!
この夏、「勉強のやり方」は合っている?
分析 → 克服で、受験ボスを倒そう!
このように、タイトル+3つの小見出しで全体像をつかませることで、読みやすさがぐんとアップします。
📝③ 構成の黄金パターンは「問い → 答え → 行動」
読者をひきつけ、行動を促すためには、次の3ステップ構成が有効です。
🟡 問いかけ:「この勉強のままで合格できるのか…不安になることはありませんか?」
🟢 答えの提示:「大事なのは“分からない所”を見つけ、克服していくことです」
🔵 具体的な行動:「まずはテストの見直しから始めましょう」
この構成を使えば、生徒の“心”に届き、実際に“行動”へとつなげられる納得感のある通信がつくれます。
次の章では、この構成をさらに活かすために、「言葉の届け方の工夫」、つまり“たとえ話”の力を解説します。
✅見出し③:生徒の心に響く「たとえ話」や「具体の提示」で共感を引き出す
「頑張ろう!」という言葉だけでは、生徒の心に残りません。
伝えたいメッセージを自分ごととして捉えてもらうには、「たとえ話」や「具体例」が効果的です。
ここでは、進路通信でよく使われる、効果的なたとえ話と具体表現のポイントをご紹介します。
🎮① 生徒が馴染みのある世界で例える
中学生にとって勉強は抽象的なもの。でも、ゲームやスポーツなどに置き換えると、ぐっとリアルに感じられるようになります。
たとえば:
「ゲームで勝てないボスがいたら、どうしますか?」
まずは弱点を分析して、レベルを上げて、強くなってから挑みますよね?
実は、受験もそれと同じなんです。
分からないところを見つけて、ひとつずつ倒していくことが、合格への道なんです。
このように、日常的な経験と結びつけると、「あ、なるほど」と腑に落ちやすくなります。
🏃② 行動につながる“たとえ+アドバイス”の型を使おう
たとえ話 → 生徒自身に置き換え → 今できる行動の提示
この流れを意識して、「読んだ後に動ける通信」を目指しましょう。
たとえば:
「短距離走と同じで、スタートダッシュが肝心」
→ 今から動き出す人が、一歩先に合格へ近づく
→ 今日から“朝の10分勉強”を始めてみよう
✅③「できそう!」と感じさせる言葉を選ぶ
- ✗「もっと頑張れ」 → ○「今の努力に、あと1つ加えてみよう」
- ✗「もっと勉強しなさい」 → ○「この夏だけ、1日30分レベルアップしてみない?」
生徒は意外と敏感で、“無理だ”と思ったらそこで読むのをやめてしまいます。
「これなら自分でもできそう」と思わせる“あと一歩”の提案がカギになります。
✅そのまま使える!中3進路通信の例文(コピペOK)
📌以下の文章は、夏休み直前や登校日に配布する進路通信として、そのまま使用できる形でまとめています。
🔁【コピー&貼り付けOK】で使えるように仕上げていますので、プリントやPDFにもご活用ください。
✉️進路通信タイトル例
「受験まであと半年──自分のレベルをさらに高めよう!」
📄本文(そのまま使える例文)
🌻 夏休みの間、コツコツと勉強を続けることができましたか?
人間は“慣れる”生き物です。毎日続けていることはルーティン化され、淡々と行うことができるようになります。
この夏、努力して“勉強の癖”がついてきた皆さんは、そろそろこんなことを考えているのではないでしょうか?
❓「今の勉強方法って、本当に合っているのかな?」
❓「このやり方で、合格できるのかな?」
では、合格するためには何をすれば良いのでしょうか?
先生は、受験には次の 2つのポイント があると考えています。
🎯合格のためのポイント
✅ 分からない所を見つける(=分析)
✅ 分からない所をなくす(=克服)
「え?そんな当たり前のこと?」と思いましたか?
ここで、ゲームにたとえて考えてみましょう。
🎮 ゲームで勝てない“ボス”が現れたら、どうしますか?
⇒ 必死に攻略方法を考えますよね?クリアして次のステージへ進みたいですもんね。
自分の技が弱いのか、ステータスが低いのかを分析し、
レベルを上げたり、新しい技を覚えたりして、敵を倒しますよね?
実は、受験も同じです。
受験というボスを倒すためには、
自分の弱点(=分からない所)を分析して、それを克服することが大切なんです。
👤 あなたが主人公。レベルを上げて、次のステージ(高校)へ進みましょう!
🔍分からない所の見つけ方(=分析)
では、どうやって分からない所を見つければ良いのか?
今日は、すぐに実践できる簡単な方法を2つ紹介します。
✅① テストを見直す
定期テストでも、習熟度テストでもかまいません。
返却されたテストが手元にあるなら、間違えた問題や単元をもう一度チェックしてみましょう。
✏️ それが、あなたの「分からないところ」です。
✅② 整対(整理と対策ノート)を活用する
整対を使っていますか?
整対の目次を見て、
「この単元はよく覚えていないな…」「何を習ったか記憶がないな…」と思うところをピックアップしてみましょう。
✏️ そこが、あなたの「分からないところ」です。
🚀分からない所をなくす(=克服)
勉強のルーティンが生活に組み込まれてきたなら、
見つけた「分からないところ」に時間をかけて、じっくりとレベルアップしていきましょう。
❗受験勉強に、特別な攻略法はありません。
✅ 少しずつ、毎日コツコツ。
✅ 苦手を放っておかない。
✅ 今日やることを、ちゃんとやる。
👑 あなたは、自分の人生の主人公です。
「努力」という武器を手にして、「受験」というボスを倒し、
次のステージ(高校)へ進んでいきましょう!
✉️この夏、自分を育てる冒険を、始めよう。
🧩一言アドバイス欄(※必要に応じて追加可能)
「分からない」が見えた人はすでに強い。
あとは“やり抜く”だけ!
📎【使い方メモ】
- 内容をそのままコピペ or PDF化して進路通信に
- 通信の名前や日付欄を加えれば、配布用として完成
- 保護者向けの追記欄を加えるのも効果的(次章で紹介)
✅進路通信の内容を「家庭・保護者」にも届ける工夫
進路通信の本当の価値は、生徒だけでなく保護者にも届くことにあります。
高校受験は、本人の努力がカギですが、家庭のサポートも大きな後押しになります。
🏡保護者と一緒に読んでもらうための3つの工夫
✅① 通信内に「保護者の方へ」の一文を添える
たとえば、以下のような一言を文末に添えるだけで、保護者の意識がぐっと高まり、家庭での会話が増えます。
✉️【保護者の皆様へ】
夏休みを迎えるこの時期、お子様は進路や学習への不安を抱きやすくなります。ぜひ今回の通信をご家庭でも共有いただき、「今、どんなことを考えているのか」「どんな勉強をしているのか」など、お話しされてみてください。
✅② 「問いかけ」を入れて、家庭での会話のきっかけにする
通信の最後にこんな問いかけを入れてみてはいかがでしょうか?
👪【家庭での話題例】
・最近、どんな勉強をしている?
・目標の高校は決まっている?
・夏休みの1日の過ごし方は?
“会話のきっかけ”をつくるだけで、保護者と生徒の関係性も深まりやすくなります。
✅③ 保護者宛の一文を、文字装飾で目立たせる
印刷した通信の中で、保護者宛の部分だけを
🟡「太字」「枠囲み」「斜体」「アイコン付き」などで装飾するだけで、視認性が上がり、確実に読まれやすくなります。
🧠ポイント
- 保護者が読みやすい文体に
- 生徒へのメッセージとの“トーンの違い”も大切に
これらの工夫により、「家庭で進路を考える機会」が自然と増えていきます。
次の見出しでは、他の先生方と共有・活用していく方法をご紹介します。
✅周囲の先生や学年団と「進路通信」を共有しよう
進路通信の効果は、学年全体で発信することで何倍にも膨らみます。
あなたが作った通信を、チームで活用できるようにする工夫を紹介します。
🤝① 学年全体で「統一テーマ」にする
もし可能なら、各クラスでバラバラに発信するより、学年でテーマを統一すると効果的です。
たとえば:
📝テーマ例:「この夏、自分のレベルを上げよう」
→ どのクラスでも同じ言葉が繰り返されることで、生徒にとって印象が強くなります。
💌② 作成した通信を校内で共有する
以下のような方法で、あなたの進路通信を他の先生にも使ってもらいましょう。
📤 校内メールに添付して送信
📂 Googleドライブなどで共有フォルダ化
🧾 職員室の印刷コーナーに置いておく
💬 教員間のチャットグループで紹介
「自分ひとりのアイデア」を「学年全体の力」に変えることで、より大きな効果が得られます。
👥③ 初任の先生や非常勤の先生とも分かち合おう
「何を書いていいか分からない」と悩む先生は案外多いものです。
あなたの作成した通信は、**“新任の先生の支え”**にもなります。
✅「このまま使ってもいいですよ」と伝えるだけで、安心と信頼を届けられます。
📌最後にひとこと
進路通信は、あなたの“教育の想い”がカタチになるツールです。
ぜひ、学年全体での取り組みとして広げていきましょう。
✅まとめ:進路通信は、生徒・家庭・先生をつなぐ“未来へのメッセージ”
中学3年生の進路通信は、ただの情報配布ではありません。
それは、生徒の不安に寄り添い、保護者の理解を促し、先生自身の教育観を届ける手段でもあります。
👩🏫あなたの1通の通信が、1人の生徒の背中をそっと押す。
そんな思いで、進路通信を作ってみてください。
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