授業中、こんな場面を見たことはありませんか?
算数の問題を前に、
手が止まっている子。
ノートを見つめたまま、
鉛筆が動かない子。
声をかけると、
「わからない…」
そう言って固まってしまう。
教師をしていた頃、
私はこの光景を何度も見てきました。
そして多くの先生が、こんなふうに悩みます。
✔ どう声をかければいいんだろう?
✔ ヒントを出すべき?それとも見守る?
✔ この子は理解していないのかな?
でも実は、教育研究では
「つまずき」そのものは悪いことではないと言われています。
むしろ、
✔ 試行錯誤しているとき
✔ 少し混乱しているとき
こういう時間こそ、
子どもの学びは深くなるのです。
問題は、
子どもがつまずいたあとです。
そのまま
❌ 「自分はできない」と思い込む子
❌ イライラして問題を投げ出す子
❌ 何も手をつけなくなる子
こうした状態になってしまうと、
学びは止まってしまいます。
大切なのは、
つまずいたときにどう立て直すか。
実は子どもには
「行き詰まったときの考え方」
を教えるだけで、
自分で動き出せるようになることが多いんです。
そこでこの記事では、元教師として
✅ 授業で止まってしまう子どもの本当の理由
✅ 学びが止まった子どもを動かす「6つの習慣」
を分かりやすく紹介します。
若手教師の方はもちろん、
家庭学習を見ている保護者の方にも役立つ内容です。
「わからない…」で止まる子どもを
「もう一回やってみよう」に変えるヒントになれば嬉しいです。
子どもが授業で「わからない…」と止まってしまう本当の理由
授業をしていると、こんな子に出会います。
算数の問題を出したとき。
ある子はスラスラ解き始める。
でも、別の子は――
ノートを開いたまま止まっている。
声をかけると
「わからない…」
そう言って鉛筆が止まってしまう。
教師を始めた頃の私は、こう思っていました。
「この子は理解していないんだろうな」
だから
✔ ヒントを出す
✔ 解き方を説明する
✔ 答えまで導く
そんな対応をしていました。
でも、しばらくすると気づいたんです。
それでもまた止まる子がいる。
つまり問題は
「理解していないこと」だけではなかったんです。
実は、子どもが学習で止まる理由には
いくつかのパターンがあります。
例えばこんな理由です。
✔ 何から始めればいいか分からない
✔ 間違えるのが怖い
✔ 問題が大きすぎて圧倒されている
✔ イライラして考えられなくなっている
つまり子どもは
「考えられない状態」
になっていることが多いんです。
例えば算数の授業。
少し難しい問題が出たとき、
子どもの頭の中ではこんな声が聞こえています。
「え…どうやるの?」
「わからない…」
「やっぱり算数苦手だ…」
こうして
自信 → 思考 → 行動
の順番で止まってしまう。
すると
考える前に手が止まる
という状態になります。
ここで教師がやりがちなのが
すぐに答えを教えること。
もちろん優しさからです。
でも、それを続けると
子どもはこう思うようになります。
「困ったら先生が教えてくれる」
すると
自分で考えなくなる。
これは多くの先生が経験することだと思います。
だからこそ大切なのは
「答え」を教えることではありません。
大事なのは
「つまずいたときの考え方」
を教えることです。
つまり
行き詰まったときにどう立て直すか。
この方法を知っている子は
多少難しい問題でも
「もう一回やってみよう」
と動き出せます。
逆に知らない子は
すぐに思考が止まってしまう。
では、どうすればいいのでしょうか。
実は子どもが
自分で立て直すための習慣があります。
次の章では、
授業でも家庭学習でも使える
「学びが止まった子どもを動かす6つの習慣」
を紹介します。
教師がすぐ助けなくても、
子どもが自分で考え始めるようになる方法です。
学びが止まった子どもを動かす「6つの習慣」
では、子どもが授業や宿題で行き詰まったとき、どうすればいいのでしょうか。
実は、子どもが自分で立て直すための習慣があります。
これは特別な指導法ではありません。
むしろ、ちょっとした考え方のコツです。
教師時代、この方法を意識して声かけをするようにしてから、
「わからない…」と止まっていた子が
「もう一回やってみる」
と言う場面が増えていきました。
ここでは、授業でも家庭学習でも使える
6つの習慣を紹介します。
✔ ①「友達ならどうする?」と考えてみる
行き詰まっているとき、子どもは問題の中に入り込みすぎていることがあります。
そんなときに効果的なのが、この質問です。
「もし友達が同じところで困っていたら、なんてアドバイスする?」
すると不思議なことに、子どもはこんなことを言い始めます。
✔ 「もう一回問題読んだらいいかも」
✔ 「図を書いたら分かるんじゃない?」
✔ 「さっきの問題と似てるかも」
つまり子どもは、考える力を持っているんです。
ただ、自分の問題になると
焦りや不安でそれが使えなくなる。
この質問は
「自分 → 他人」
に視点を変えることで、
冷静に考えられる状態を作る方法です。
✔ ② 今の状況を整理してみる
行き詰まったとき、子どもは
「全部ダメだ…」
と感じてしまうことがあります。
そんなときに役立つのが
状況を整理することです。
ある学校カウンセラーは、
学習のつまずきをこんな風に例えています。
🚗 スピードバンプ(ちょっとしたつまずき)
🚧 迂回路(やり方を変えたほうがいい)
🅿 駐車(疲れている)
例えば
「これはスピードバンプかな?」
と聞くと、子どもは
「ちょっと考えたらできそう」
と整理できます。
また
「今日は駐車かも」
と分かれば
休憩する判断もできます。
自分の状態を言葉にするだけで、
子どもは意外と落ち着くものです。
✔ ③ 課題を小さく分ける
宿題やレポートで止まる子どもはとても多いです。
その理由はシンプルで、
課題が大きすぎるから。
例えば
「レポートを書こう」
と言われても、子どもは
何から始めればいいのか分かりません。
そんなときは
課題を小さく分けるだけで動きやすくなります。
例えばレポートなら
✔ テーマを決める
✔ 資料を探す
✔ メモを書く
✔ 下書きを作る
このように
一つずつの作業に分けることで、
「とりあえずこれをやろう」
という行動が生まれます。
✔ ④ 最初の一歩だけやってみる
人は、やることが多いほど
動き出すのが難しくなります。
そんなときは
全部やろうとしないこと。
まずは
最初の一歩だけ
やってみます。
例えば
✔ 1問だけ解く
✔ 指示を読み直す
✔ 1ページだけ読む
これだけでも十分です。
なぜなら人は
動き始めると続けやすい
からです。
教師時代、
「1問だけやってみよう」
と言うと、
そのまま何問も解き始める子が
よくいました。
✔ ⑤ 自分に質問してみる
考える力を伸ばすためには
自分に問いかける習慣が大切です。
例えばこんな質問です。
✔ まず何をすればいい?
✔ どこが分からない?
✔ なぜ間違えた?
✔ 次はどうする?
こうした質問は
メタ認知
と呼ばれる力を育てます。
これは
「自分の考え方を考える力」
のことです。
この力が伸びると、
子どもは
自分で学び方を調整できる
ようになります。
✔ ⑥ 思い切って休憩する
行き詰まったとき、子どもは
「頑張らなきゃ」
と無理をすることがあります。
でも実は
短い休憩は学習にとても効果的です。
例えば
✔ 深呼吸をする
✔ 体を伸ばす
✔ 少し歩く
これだけでも
脳はリセットされます。
教師をしていた頃、
行き詰まっている子に
「ちょっと廊下歩いてきてもいいよ」
と声をかけると、
戻ってきて
「先生、わかった!」
と言う子もよくいました。
落ち着いた脳は、よく学ぶ。
これは教育の現場でもよく感じることです。
教師がついやってしまう「逆効果の対応」
ここまで、
子どもが行き詰まったときに役立つ
6つの習慣を紹介しました。
でも実は、
ここで一つ大事なことがあります。
それは――
教師の関わり方です。
実は授業の中で、
先生がよかれと思ってやっている対応が
子どもの思考を止めてしまう
ことがあります。
教師を始めたばかりの頃、
私もよくやっていました。
子どもが
「わからない…」
と言うと、
すぐに
✔ ヒントを出す
✔ 解き方を説明する
✔ 答えに導く
そんな対応をしていました。
でも、あるとき気づいたんです。
それを続けていると、
子どもはだんだんこうなります。
「困ったら先生に聞けばいい」
そして最終的には
考える前に手が止まる。
よくある逆効果の声かけ
授業でよく見かける声かけがあります。
例えばこんな言葉です。
❌ 「さっき説明したでしょ?」
❌ 「ちゃんと問題読んだ?」
❌ 「なんで分からないの?」
先生にとっては
普通の声かけかもしれません。
でも子どもにとっては
「自分はできない」
と感じるきっかけになることがあります。
すると子どもは
✔ 黙る
✔ 手を止める
✔ 諦める
という状態になりやすくなります。
大事なのは「答え」ではなく「考え方」
子どもがつまずいたとき、
教師がすぐに答えを教えると
その場では問題が解けます。
でもそれでは
次の問題でまた止まる。
だからこそ大切なのは
答えを教えることではなく、
考え方を教えること。
例えば
「友達ならどうアドバイスする?」
「まず何をすればいいと思う?」
「小さく分けるとどうなる?」
こうした声かけをすると、
子どもは少しずつ
自分で考え始めます。
そしてこの経験が積み重なると、
「わからない…」
で止まっていた子が
「もう一回やってみる」
と言うようになります。
まとめ|「つまずき」は学びのスタート
授業をしていると、
どうしても気になってしまう場面があります。
それは
子どもの手が止まる瞬間。
算数の問題を前に
ノートを見つめたまま動かない。
声をかけると
「わからない…」
そう言って固まってしまう。
教師をしていると、
ついこう思ってしまいます。
「助けてあげなきゃ」
でも教育の研究でも、
そして教室での経験でも感じるのは
つまずきは悪いことではない
ということです。
むしろ
つまずきは学びの入り口。
大切なのは
そのあとどうするかです。
子どもが行き詰まったときは、
次のような習慣が大きな助けになります。
✔ 友達ならどうする?と考える
✔ 今の状況を整理する
✔ 課題を小さく分ける
✔ 最初の一歩だけやってみる
✔ 自分に質問してみる
✔ 思い切って休憩する
こうした方法を知っている子は、
難しい問題に出会っても
「もう一回やってみよう」
と自分で動き出せるようになります。
教師ができる一番のサポートは、
答えを教えることではなく
「考え方」を教えること。
子どもが
「わからない…」
で止まるのではなく
「どうすればいいかな?」
と考え始める。
そんな教室が増えていけばいいなと、
元教師として強く感じています。
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