「授業中の子どものつぶやき」どう対応すればいいの?
初任の先生がよく悩むことのひとつに、**「授業中の子どものつぶやきへの対応」**があります。
「授業と関係ない話をしているな…でも注意した方がいいのかな?」
「なんか思いついたことを言ってるけど、取り上げていいのかな?」
こんなふうに、どう扱っていいか迷ってしまう場面、ありますよね。
実は、授業中のつぶやきには教師として**見極めるべき“3つの種類”**があります。
この3種類を理解し、対応を工夫することで、
✅授業の深まり
✅クラスの空気の向上
✅子どもとの信頼関係の構築
といった大きな効果が期待できるのです。
この記事では、元中学校教員として10年の現場経験がある筆者が、**「つぶやきの見極めと対応法」**をわかりやすく解説します。
👂「つぶやき」には3種類ある!初任者がまず理解すべき分類とは?
授業中に聞こえてくる「つぶやき」。
実はすべてに反応していたら、授業が止まってしまいます。
だからこそ、まずはどんなつぶやきなのか分類する目をもちましょう。
✅1. 拾うと授業が深まるつぶやき
・「これって昨日のニュースと似てない?」
・「じゃあ逆の場合はどうなるの?」
・「え、それおかしくない?」
➡️このような発言は、子どもの内面から出てきた思考の芽です。
授業内容に対して自分の言葉で問いを立てている証拠なので、ぜひ拾って広げましょう。
✅2. スルーするべきつぶやき
・「今日の給食なに?」
・「○○くんの髪型かわってる!」
・「早く昼休みにならないかな~」
➡️授業とは関係のない雑談や独り言です。これを拾ってしまうと授業の流れが崩れ、脱線します。
このタイプは基本的にスルーが鉄則です。
✅3. 注意すべきつぶやき
・「○○ってバカだよね」
・「そんなの知ってるし」
・「先生、どうせわかってないくせに」
➡️これらは誰かを傷つけたり、場の空気を壊したりする発言です。
放置せず、その場で指導することが必要です。
時には全体の前でなく、あとで個別に話す方が効果的なこともあります。
📝授業を前向きにする魔法の対応|「拾う」べきつぶやきとは?
授業中、思わずもれた子どものつぶやき。
それが学びを深めるサインである場合、教師の一言が授業全体の質を高めるチャンスになります。
たとえば
・「そう思った理由、聞かせてくれる?」
・「今いい視点だね!それ、もう少し詳しく言える?」
といった声かけをすると、子どもは自分の考えを言語化し始めます。
この「考えを言葉にする」プロセスこそ、学びの醍醐味。
さらに、教師がその考えを言葉でクラスに広げることで、学級全体の“思考する空気”が育っていきます。
🌟 言語化は伝染する!
「なるほど、そういう見方もあるね」という先生の一言で、他の子も「じゃあ自分も言ってみようかな」と思うのです。
🙈スルーが最善!授業を脱線させるつぶやきへの対応
授業中に、唐突な話題が飛び出すことはよくあります。
「今日カレーじゃね?」なんて、教室あるあるですね(笑)
このとき大事なのは、授業を止めないこと。
「うん、あとで話そうね」「今は授業中だから、戻ろうか」と軽くかわして、授業に戻るのがベストです。
こうした脱線つぶやきをいちいち拾っていると、
・他の子どもたちの集中が切れる
・教師が“何でも許す人”になってしまう
といった悪循環を招きます。
🔍 ポイント:毅然とした態度でやさしくスルー!
⚠️見逃さないで!注意が必要なつぶやきとは?
最も注意が必要なのが、他人を傷つける言葉や、授業妨害にあたる発言です。
これは見逃すと、
・言われた子どもが傷つく
・クラスの雰囲気が悪くなる
・教師への信頼が薄れる
という重大な影響があります。
たとえば「そんなのつまらない」といった発言には、
「そう感じたんだね、でもいま大事なことだから一緒に考えてみよう」
など、受け止めつつも軌道修正する言葉が有効です。
また、明らかに人をけなす発言に対しては、
✅「今の言葉は○○さんが嫌な気持ちになるよ」
✅「ここはみんなが安心して話せる場にしたいから、そういう言い方はやめよう」
と、その場で価値観を伝える勇気が必要です。
📣言葉の選び方でクラスは変わる!教師が伝染させたい言葉とは?
教師が拾った言葉は、クラスに伝染していきます。
だからこそ、伝染させるにふさわしい言葉を選びましょう。
・「すごい、今までにない考えだね!」
・「それを聞いて、他の人はどう思った?」
・「違っても大丈夫。いろんな考えがある方が楽しいよね」
こういった言葉は、子どもたちに安心感と自信を与えます。
特に、授業がうまくいかないときほど、ポジティブな言語化が力を発揮します。
📘まとめ:拾う・スルー・注意の3つを見極めよう
授業中の「つぶやき」は、すべてが無駄ではありません。
むしろ、見極めて扱うことで、授業がもっと活きてくるのです。
✅拾うべきつぶやきは、学びの種。
✅スルーすべきつぶやきは、授業の邪魔になる前にかわす。
✅注意すべきつぶやきには、教師としての価値観で対応する。
この3つの対応法を身につけることで、
クラスの雰囲気・授業の質・子どもとの信頼関係がすべて変わっていきます。
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