月曜の朝、1時間目。
黒板の前に立って、いつもどおり授業を始めようとする。でも、子どもたちの目が泳いでいる。あくびをする子、机に伏せる子、ぼーっと窓の外を見る子、隣の子と私語を始める子。
「先生、トイレ行っていいですか」「お腹痛い…」「ねむい」――の連発。金曜の同じクラスとは別人みたい。授業案通りに進まず、気づけば自分の声だけが教室に響いて、子どもの反応はゼロ。
1時間目が終わるころにはぐったり。「月曜の1時間目って、なんでこんなにキツいんだろう」と空き時間にスマホで検索しているあなた。
大丈夫です。月曜1時間目は、教師経験10年のベテランでも”鬼門”と呼ぶ時間。子どもがだれるのは、新任のあなたの指導力の問題ではなく、もっと別の3つの原因があります。
この記事では、元教員の私が新任時代に毎週月曜の1時間目で消耗していた経験と、5年目以降に確立した「月曜1時間目を立て直す3つの対策」を、実体験を交えて解説します。明日の月曜から使えるものに絞りました。
なぜ月曜1時間目は子どもが集中しないのか|3つの原因
まず、原因を知ることから。原因が分かれば対策は半分終わったようなものです。
原因1:土日の生活リズムが「学校モード」じゃない
多くの子どもは土日に夜更かし+朝寝坊+ゲーム・動画長時間で過ごします。月曜の朝、家を出るまでに脳と体が「学校モード」に切り替わっていないんです。
大人でいう「月曜は仕事のエンジンがかからない」と全く同じ。ただし子どもは大人より切り替えに時間がかかるので、1時間目はほぼ”暖機運転”だと思ったほうがいい。
原因2:朝の支度〜登校までで疲れている
意外と見落とされがちなのがこれ。月曜の朝、子どもは家で「早く起きなさい!」「忘れ物ない?」「もう出る時間でしょ!」と保護者にせかされて、家を出る時点で既に疲弊しています。
登校班でトラブルがあったり、雨で濡れたりすると、教室に着いた時点で「もう動きたくない」モード。1時間目に集中しろというのは無理筋なんです。
原因3:週末モードのテンションが残っている
金曜の自分のクラスとは別人――これは事実です。子どもの脳は「楽しかった土日」の余韻を引きずっていて、まだ自由・解放モード。
教師がいきなり「教科書○ページ開いて」「集中して」と言っても、子どもの脳は「え、もうそのモードなの?」と拒否反応を示します。
月曜1時間目を立て直す3つの対策
原因が分かれば対策は明確。「いきなり授業に入らない」「短時間で脳を起こす」「1時間目に勝負しない」の3本柱でいきます。
対策1:朝の会で「月曜ウォーミングアップ」を入れる
月曜の朝の会は、平日と意図的に内容を変えてください。私のおすすめは次の3つから1つ。
- 週末トーク:「土日に楽しかったこと、隣の人に30秒ずつ話そう」。口を動かすことで脳が起きる。30秒×2なら1分で終わる。
- 立ってジャンケン1回戦:「立って、近くの人と1回ジャンケン。勝った人座る」。体を動かす+短時間で完結。教室の空気が一気に変わる。
- 今日の目標を1人ずつ短く:「今日1日のミニ目標、隣に1つ言って」。未来に意識を向けることで土日モードを切る。
所要時間はいずれも1〜2分。たったこれだけで、1時間目開始時の集中度が体感2倍になります。
対策2:1時間目は「アクティブな教科・活動」を組む
月曜1時間目に説明中心の授業(社会の調べ学習、長文の音読、計算ドリル長時間など)を入れると地獄を見ます。
おすすめは:
- 体育(最強。体動かすので脳が起きる)
- 音楽(声を出すので眠気が飛ぶ)
- 算数の問題演習+ペア答え合わせ(短いサイクルで子どもが動く)
- 国語の音読+発表(声と参加でテンション上がる)
逆に、月曜1時間目に組まない方がいいのは:
- 新単元の導入(理解できないまま終わる)
- 長時間の集中を要する活動(書き取り・テスト・長文読解)
- 説明8割の授業
時間割を組む段階で「月曜1時間目はアクティブな教科」と決めておくと、毎週ラクになります。学年団に相談して可能なら調整してください。
対策3:1時間目では「全員が参加する仕掛け」を3回入れる
1時間目はとにかく子どもの体と口を動かし続けるのがコツ。45分の中で全員参加の仕掛けを3回入れます。
- ペアトーク(30秒〜1分、隣の子と話す)
- 全員起立して指名(答えたら座る、考えたら座る)
- ノートに書く時間(5分間、必ず全員書く)
- ミニ動作(手を挙げる、指で答える、声を出す)
「先生が説明→子どもが聞く」を続けると、月曜1時間目は確実に崩壊します。説明は短く、活動は多く。これ鉄則です。
「月曜1時間目に怒鳴ってしまった…」となる前に
1時間目で子どもがだれていると、つい「いい加減にしなさい!」と怒鳴ってしまう新任教師が多いです。私もそうでした。
でも、月曜の朝に怒鳴っても効果はほぼゼロ。子どもの脳がそもそも起きていないので、怒声も右から左に抜けるだけ。むしろ「月曜の先生は怒る」というイメージだけが定着して、翌週からの月曜が地獄になります。
もし怒鳴ってしまった日があったら、こちらの記事で立て直しの5ステップを確認してください。
👉 「子どもに怒鳴ってしまった…」翌日の教室にどう立つか|元教師が教える”やらかした後”のリカバリー5ステップ
元教員の私が「月曜1時間目」で失敗した話
正直に書きます。私は新任1年目の5月、月曜1時間目の国語に「物語の主題を読み取る」という重ためのテーマを組みました。
結果は地獄。15分経っても誰も発言せず、ノートを開かない子もチラホラ。焦って自分でしゃべり続け、気づいたら45分間、私の一方的な独演会。授業後はぐったり、子どもも「先生、つまんなかった〜」と一言。
放課後、学年主任に泣きついたら「月曜1時間目に思考系の重い授業を入れたら誰でも詰むよ。あんたが悪いんじゃない、時間割の組み方が悪い」と言われました。
翌週から1時間目を体育に変えてもらったら、嘘のように授業が回り始めました。変わったのは私の指導力ではなく、時間割の組み方。これが結論です。
授業中に立ち歩く子が出始めたら
月曜1時間目にだれが進むと、立ち歩く子・離席する子が出ることがあります。その対応はこちらの記事に詳しくまとめてあります。
👉 「授業中に立ち歩く子、どうすれば座ってくれる?」新任教師が実践すべき具体的な指導法
また、5月後半は子どもが先生に慣れて「指示が通らない」状態が出やすい時期。なめられないための立ち振る舞いはこちら。
👉 「先生の言うことが聞けない子ばかり…」なめられている新任教師がやるべき5つのこと
そもそも教師自身が月曜朝に動けない、という人へ
子どもの月曜1時間目を立て直すには、まず教師自身が月曜の朝にしっかり動けていることが前提です。
布団から出られない、通勤が地獄、教室に立つ前に消耗している――そんな新任教師さんは、まず自分の月曜朝のシステムから整えてください。
👉 「月曜の朝、布団から出られない…」教員のための”月曜の朝を10分早く動かす”5つの小技
まとめ|明日の月曜1時間目、これだけやってみてください
長くなったので最後に整理。
月曜1時間目に子どもが集中しない3つの原因
- 土日の生活リズムが学校モードじゃない
- 朝の支度〜登校で既に疲れている
- 週末モードのテンションが残っている
立て直す3つの対策
- 朝の会で「月曜ウォーミングアップ」を1〜2分
- 1時間目はアクティブな教科を組む(体育・音楽・演習中心)
- 45分の中で全員参加の仕掛けを3回
月曜1時間目は“通常運転の60%”でいい時間帯です。100%を目指すから消耗する。子どもも教師も、月曜の朝は暖機運転と割り切ってください。
明日の月曜、まずは朝の会で「土日に楽しかったこと、隣の人に30秒」から始めてみてください。教室の空気が変わります。
応援しています。今週もぼちぼちいきましょう。

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