「叱り方がわからない…感情的に怒鳴ってしまって後悔することがある」
叱ることは、教師にとって最も難しい仕事のひとつです。でも、叱り方を変えるだけで、子どもとの関係は大きく変わります。元教師の経験から、信頼される叱り方の3つの秘訣をお伝えします。
なぜ叱っても嫌われてしまうのか
叱って嫌われてしまう先生と、叱っても信頼される先生の違いは何でしょうか。それは「叱る目的」と「叱り方」にあります。感情をぶつけているか、子どものためを思っているか——子どもはその違いを敏感に感じ取ります。
信頼される叱り方3つの秘訣
① 行動を叱る・人格は叱らない
「なんでそんなことするの!あなたはダメな子だ」ではなく「その行動はよくない、なぜそうしたの?」と伝えましょう。人格否定の言葉は子どもの自己肯定感を傷つけ、反発を生みます。問題は「行動」であり「その子自身」ではないことを伝えることが大切です。
② 人前で叱らない・一対一で伝える
クラス全員の前で強く叱ると、子どもは恥ずかしさや怒りから「先生が嫌い」という気持ちになってしまいます。特に重要なことを伝えるときは、人目のないところで一対一で話しましょう。「二人でちょっと話そう」と穏やかに声をかけるだけで、子どもは構えずに話を聞けます。
③ 叱った後は必ずフォローする
叱りっぱなしにしないことが大切です。「さっきは厳しいことを言ったけど、それはあなたのことが大切だからだよ」と伝えることで、叱られた経験が信頼の強化につながります。叱った日の放課後や翌日の朝、さりげなく「昨日のこと、大丈夫?」と声をかけましょう。
叱る前に確認したいこと
叱る前に、まず状況を確認することが大切です。
- 子どもに悪意があったのか、それとも間違えただけなのか
- 疲れや体調不良など、行動の背景はないか
- 自分(先生)が今、感情的になっていないか
感情が高ぶっているときは、少し間をおいてから話しましょう。「今日の放課後に話そう」と一言伝えるだけで、冷静に伝えられます。
叱るより効果的な「問いかけ」の力
叱る代わりに「問いかける」ことで、子ども自身が考えるきっかけになります。「なぜそうしたの?」「どうしたらよかったと思う?」と聞くことで、一方的に責めるのではなく、一緒に考える関係を築けます。この積み重ねが、長期的な信頼につながります。
まとめ|叱ることは「愛情の表れ」
正しい叱り方は、子どもへの愛情の表れです。感情的に怒鳴ることは叱ることではありません。行動に向き合い、一対一で、フォローを忘れずに——この3つを意識するだけで、叱った後も信頼関係が育ちます。
「厳しいけど好き」と思われる先生を目指してみてください。それが、本当に子どものためになる叱り方です。
NGな叱り方の具体例
以下のような叱り方は逆効果になりやすいので注意しましょう。
- 「また〇〇してる!いつもそうだね」——「いつも」という言葉は過去を引きずらせる
- 「〇〇さんはちゃんとやってるのに」——比較は反発を生む
- 「もう知らない」「そんな子は嫌い」——見捨てを匂わせる言葉は絶対NG
- 長々と説教する——話が長いと子どもは内容より先生への不満が膨らむ
叱り方を磨くための実践法
叱り方は、経験を積みながら少しずつ上手くなるものです。叱った後に「今日はうまく伝えられたか?」と振り返る習慣をつけましょう。うまくいかなかったときも、翌日に「昨日は言い方が悪かったな」と子どもに伝えられる先生は、子どもから信頼されます。完璧な叱り方より、誠実な姿勢の方が大切です。
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学年・場面別の叱り方のポイント
低学年(1〜2年生)は、短く・わかりやすく伝えることが大切です。「なぜダメなのか」を具体的に言葉にして伝えましょう。「走っちゃダメ」より「廊下で転ぶと痛いから、歩こうね」の方が伝わります。
中・高学年(3〜6年生)は、理由と結果を伝えた上で本人に考えさせましょう。「これは〇〇さんのためを思って言っているよ」という前置きが効果的です。
どの学年でも共通するのは、叱った後の関係修復を忘れないこと。叱ることが多くなる時期こそ、意識してポジティブな声かけも増やしましょう。叱る1回に対して、褒める・認める機会を3回つくることが理想です。
先生自身が「叱り疲れ」しないために
叱ることが続くと、先生自身が消耗してしまいます。「なぜ自分ばかりがこんなに叱らなければいけないんだ」という気持ちが出てきたら、それは一人で抱え込みすぎているサインです。学年主任や同僚に相談しながら、チームで対応することを忘れずに。
叱ることは特別なことではありません。子どもの成長のために必要な関わりの一つです。感情ではなく、誠実さと愛情で伝える叱り方を、少しずつ身につけていきましょう。
「叱っても嫌われない先生」は、叱った後に「やっぱりあの先生は自分のことを考えてくれている」と子どもが感じられる先生です。今日から一つだけ、「叱った後のフォロー」を意識してみてください。


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