「練習はなんとかここまで来た。あとは本番…でも、当日って先生は何をすればいいんだろう?」
来週、再来週に運動会本番を控えた新任教師さん。練習でクタクタになりながらも、子どもたちの動きはなんとか形になってきた。でも、「本番当日の自分の動き」がまったくイメージできていないのではないでしょうか。
- 朝、何時に学校に行けばいいの?
- 係の仕事、どこまでフォローすればいい?
- 自分のクラスの子の応援に行きたいけど、係の仕事と重なったら?
- 泣き出した子、ケガした子、トイレ漏らした子…どう動けば?
- 保護者から「写真撮ってください」って頼まれたら断れないの?
- 終わったあと、何時まで残ればいいの?
ベテラン教師は当たり前にこなしているけど、誰も「当日の動き方」をちゃんと教えてくれない。これ、学校あるあるです。
この記事では、元教師の私が新任時代に運動会当日にやらかした経験と、3年目以降に確立した「運動会本番・当日の動き方完全マニュアル」を、時系列で解説します。読み終わるころには、本番当日の自分の動きが頭の中で再生できるようになっているはずです。
運動会当日、新任教師が押さえるべき3つの大原則
具体的な時系列に入る前に、本番当日の大前提となる3つの原則から。
原則1:「自分のクラスを見る」より「係の仕事を完璧にやる」が優先
新任の本能として「自分のクラスの応援に行きたい!」と思うはず。でも、当日の運動会は係の仕事が回らないと進行が止まります。あなたが任された係は、学校全体の進行を支える歯車。まずは係優先、空いた時間でクラスを見る、の順です。
原則2:「予定通りに動かない」を前提にしておく
当日は必ず予定外のことが起きます。プログラム変更、ケガ、トイレ、保護者からの問い合わせ、アナウンスミス。「予定通りいかなくて当たり前」と思っておけば、想定外が来ても焦りません。
原則3:分からなければ即、学年主任に聞く
当日に「これどうしたら…」と1人で固まるのが一番やってはいけないこと。30秒迷ったら、その場で学年主任か近くの先輩に聞く。これが鉄則です。
運動会当日のタイムライン|時系列で見る新任教師の動き方
ここからが本題。一般的な小学校の運動会の流れに沿って、新任教師がいつ何をすべきかを解説します。
朝6:30〜7:00:誰よりも早く学校に着く
学校暗黙のルール。始業の1時間半前には学校に到着してください。体育主任や教頭はこの時間にはすでに来ています。
やることは:
- 自分のクラスの教室を整える(連絡黒板に当日の流れを書く)
- 救急係・記録係などの自分の係の準備物を確認
- 校庭に出て、自分のクラスの整列位置を確認
- 他の先生方への挨拶(「今日もよろしくお願いします」だけでOK)
早く行きすぎて損することはありません。逆に遅刻すると、その日1日「あの新任、本番に遅刻した先生」というレッテルがつきます。
7:30〜8:15:子どもの登校〜健康観察
子どもが登校してきたら、普段以上に丁寧に健康観察。前日に発熱・腹痛・寝不足などのサインを聞いておきます。
朝の連絡で必ず伝えるべき5つ:
- 水筒は途中で必ず飲むこと(熱中症対策)
- 具合が悪くなったらすぐ先生に言うこと
- トイレは競技の合間に必ず行くこと
- 応援席で勝手に座席を離れないこと
- 保護者を見つけても勝手に席を離れないこと(重要)
5番目はとくに保護者トラブル防止のために大事。「子どもが勝手に来た」より「先生が許可した」と保護者が思わないように、釘を刺しておきます。
8:30〜開会式:整列誘導と保護者対応
開会式の前は、子どもの整列誘導と保護者からの問い合わせ対応が同時発生します。
新任が困るのが「保護者からの質問」。「うちの子、何時頃出ますか?」「写真撮りたいんですけど」――こういうとき、「プログラムをご確認ください」「撮影ルールは校長先生からのご案内をご覧ください」と公式の言い方で受け流すのが正解。個別対応すると後でトラブルになります。
競技中:3つの「視点切り替え」を意識する
競技中、新任教師は「3つの視点」を切り替えながら動きます。
視点1:係の仕事(最優先)
自分の係(招集・記録・救急など)の動きを完璧に。係本部の指示に従って動きます。
視点2:自分のクラス
応援席にいる自分のクラスの子の様子を、競技の合間に必ず見る。座っていない子・元気がない子・トイレに行きたそうな子をチェック。
視点3:トラブル全般
他のクラスの子でも、転んだ・泣いた・具合悪そうなら声をかける。「自分のクラスじゃないから関係ない」は通用しません。
ちなみに、運動会の練習段階で子どもがまとまらない悩みについては、こちらの記事に詳しくまとめています。
👉 「運動会の練習、子どもがまとまらない…」新任教師が直面する運動会指導の乗り越え方|元教師が教える具体的なコツ
給食・お弁当タイム:休憩じゃない時間と心得る
子どもがお弁当を食べる時間は、新任教師にとって”休憩”ではなく”トラブル対応のゴールデンタイム“です。
- 体調不良の子の様子を改めてチェック
- 午後のプログラムの最終確認
- 係の打ち合わせ(午後分)
- 自分のクラスの応援席の整理整頓
自分の昼食は短時間で済ませて、残り時間はクラスと係の準備に使う。これが新任のスタンダードです。
閉会式〜片付け:最後まで気を抜かない
閉会式のあと、「終わった〜!」と気を抜くのが一番危ない。子どもたちも疲れていて、トラブルが起きやすい時間帯です。
- 整列誘導は最後まで丁寧に
- 下校時の事故・喧嘩に注意
- 忘れ物(水筒・帽子・タオル)を必ずチェック
- 保護者引き渡しがある場合は、リストと照合
放課後:片付け&翌日の準備
子どもが帰ったあとは、校庭・体育倉庫の片付け。新任は率先して動いてください。「疲れたから帰る」は絶対NG。先輩が動いている間に座っていると、その日の評価が一気に落ちます。
片付けが終わったら、翌日の授業準備。運動会翌日は子どもも疲れているので、軽めの内容で組むのがおすすめ。担任団で「明日は午前授業っぽくする?」など相談しておくとラクです。
当日に起きがちな”想定外”トップ5と対応法
本番でよく起きるトラブルと、その対応を5つだけ覚えておけばOKです。
1. 子どもが本番直前に「走りたくない」と泣く
無理やり出さない。「見学でもOK」と一言伝えると、本人が落ち着いて結局走ることが多い。「走らせない判断」もアリと心得る。
2. ケガ人が出た
救急係に即連絡。担任が単独で判断しないのが鉄則。保健室の養護教諭に必ず引き継ぎ。
3. 保護者から「うちの子、出番見逃した!」と詰め寄られる
「申し訳ありません、午後のプログラムも見逃さないよう、〇時頃に〇〇競技がありますので」と具体的な情報を渡して切り抜ける。謝罪+情報提供のセットが鉄板。
4. プログラムが押して時間がズレる
本部の指示に従う。勝手な判断をしない。子どもには「先生もよく分からないから、本部からの指示待とうね」と正直に伝えてOK。
5. 自分が体調を崩す
無理しない。すぐに学年主任に共有。新任が倒れる方が、現場全体に迷惑がかかります。水分補給・帽子・日焼け止めは前日に準備しておくこと。
当日トラブル対応の保護者連絡は「その日のうちに」
子どものケガ・体調不良など、当日中に保護者に一報を入れるのが鉄則。「明日連絡しよう」は絶対NG。保護者が他の保護者から先に話を聞くと、不信感が爆発します。
保護者対応の基本は、こちらの記事に詳しくまとめてあります。
👉 【保存版】保護者からの電話が怖い新任教師へ|元教師が教える保護者対応の5つの心構え
元教師の私が新任時代の運動会でやらかした話
正直に書きます。私は新任1年目の運動会で、大きなやらかしを2つしました。
1つ目は朝の到着時間。「7:30に着けばいいか」と思って行ったら、すでに先輩方は7:00から準備を始めていて、係の打ち合わせが終わっていました。「あ、〇〇先生、こっちはもう終わったよ〜」と冷たく言われた瞬間、心臓がギュッとなったのを覚えています。
2つ目はクラスの応援に夢中になって係りの仕事を忘れてしまったこと。自分のクラスの徒競走の時間、ちょうど招集係の仕事が重なっていたのに、忘れていて持ち場をにつけませんでした。結果、招集が回らず、次の競技がスタートできずに5分以上遅延。教頭から放課後にこっぴどく注意されました。
このときに学んだのは、「運動会は学校全体のチームプレー」ということ。新任のプライドより、まず学校全体を回すこと。クラスのことは2年目以降にじっくり考えればいい。
それでも本番直前で不安が消えないあなたへ
本番が近づくと、夜眠れなくなる新任教師さんもいると思います。「失敗したらどうしよう」「保護者に何か言われたら」「子どもが泣いたら」――。
大丈夫です。当日、完璧にこなせる新任教師は1人もいません。みんな、何かしらやらかして、それでも夕方には片付けて、翌日また学校に行きます。
そして、もし運動会が終わって「もうこの仕事続けられない…」と感じるレベルでしんどかったら、「いつでも辞められる」と知っておくだけでいい。私自身、現役教師時代にdodaに登録して面接まで受けに行った経験があります。
👉 「教師を辞めたい、朝起きられない」あなたへ|元教員がdoda面接まで行って結局辞めなかった話
まとめ|本番前夜、これだけ思い出してください
長くなったので最後に。
運動会本番・新任教師の3大原則
- 自分のクラスより、係の仕事が優先
- 予定通りに動かないが前提
- 30秒迷ったら学年主任に即聞く
当日の流れ・押さえどころ
- 始業の1時間半前に学校到着
- 朝の健康観察+5つの注意事項を子どもに伝える
- 競技中は3つの視点(係・自クラス・全般トラブル)で動く
- 給食タイムも休憩ではなく準備時間と心得る
- 閉会式後の片付けまで気を抜かない
- 翌日の授業は軽めに組む
運動会は新任教師にとって、1年で一番疲れる行事の1つ。でも、終わった瞬間に教師としての自信が一段階アップするイベントでもあります。
明日からの練習、そして本番、応援しています。終わったらゆっくり休んでくださいね。

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