「終業式の日、学級で何を話せばいいんだろう」
2学期の終業式の日は、通知表を渡し、配布物を配り、荷物を持ち帰らせて、最後に担任として一言話します。やることが多いのに、学級で使える時間は限られています。そのうえ子どもたちの気持ちは、もう冬休みに向いています。何を、どのくらいの長さで話せばいいのか、前の日になって迷う先生も多いのではないでしょうか。
私は元教員として10年働き、そのうち6年担任をしました。終業式の日の子どもたちは冬休みへの期待でいっぱいで、難しい話をしてもあまり入りません。だから私は、話を短くして、伝えることを絞っていました。
この記事では、終業式の日の学級の時間の流れと、担任の話の例文(1分版・3分版)、通知表を手渡すときの一言、帰る前の締めの一言を、コピーして使える形でまとめました。
終業式の日の学級の時間は「話→通知表→配布物→締め」
終業式のあとに学級で過ごせる時間は、学校によって違います。どの長さでも、次の順番で組んでおくと時間が読みやすくなります。
| 順番 | やること | 時間の目安(45分の場合) |
|---|---|---|
| 1 | 担任の話 | 3分 |
| 2 | 通知表を渡す | 20〜25分 |
| 3 | 配布物・持ち帰る物の確認 | 10分 |
| 4 | 締めの一言・帰りのあいさつ | 2分 |
担任の話を通知表より先にするのは、通知表を受け取ったあとの子どもは中身が気になって、話が入りにくくなるからです。配布物は、冬休みのしおりや課題、学級通信の冬休み前号などをまとめて配り、持ち帰る物と一緒に確認します。
そして、伝えたいことは通知表の前に話し、帰る直前には一言だけにしておきます。最後に長い話をすると、帰り支度の済んだ子どもたちの耳には届きにくくなります。
学校の暦に合わせて読み替える
- 2学期制の学校:12月は後期の途中です。終業式ではなく「冬休み前の最終日」として読み替えてください。通知表がない場合は、通知表の時間を「後期ここまでの頑張りを一人ずつ伝える時間」にすれば、同じ流れで使えます。
- 通知表を懇談で保護者に渡す学校:通知表の節は、頑張ったことを一人ずつ伝える時間として読んでください。
担任の話は「短く、四つに絞る」
私が終業式の日に話していたのは、次の四つです。
- 3学期に向けて、生活リズムを崩さないこと
- けがをしないでほしいこと
- 家ではお手伝いをすること
- 3学期に、元気な姿を見せてほしいこと
冬休みは2週間ほどです。その間に子どもに覚えていてほしいことは、多くありません。あれもこれもと注意を並べるより、四つ以内に絞り、一つひとつに「なぜそうしてほしいか」を一言添えるほうが伝わります。
冬休み前号の学級通信を出しているなら、通信に書いたお願いと、終業式の日の話をそろえておくのがおすすめです。通信と話の中身がそろっていると、家庭でも同じ話として受け取ってもらいやすくなります。冬休み前号のお願いの例文は、学級通信 12月・冬休み前号の例文で紹介しています。
終業式の日の担任の話 例文(1分版・3分版)
〇〇は、実際の学級の場面に置き換えてください。例文は「型」として使い、事実と違うところは必ず書き換えるのが前提です。
1分版(時間が足りない日に)
2学期、おつかれさまでした。明日から冬休みです。先生からのお願いは三つだけです。一つ目、起きる時間を学校のある日と大きく変えないこと。二つ目、けがをしないこと。三つ目、1月〇日に、元気な顔で教室に来ること。この三つを守って、楽しい冬休みにしてください。
3分版(2学期のふり返りを入れて)
2学期が今日で終わります。9月からの4か月、みんなよく頑張りました。先生がこの学級でいちばんうれしかったのは、〇〇のときに、困っている友だちに自分から声をかける人がたくさんいたことです。言われる前に動けるようになったのは、2学期のみんなの大きな成長です。
さて、明日から冬休みです。冬休みのお願いを四つ話します。
一つ目は、生活リズムです。夜ふかしをすると、1月の朝がとてもつらくなります。起きる時間だけは、学校のある日とあまり変えないでください。
二つ目は、けがをしないことです。外で遊ぶときは、車や自転車に気をつけてください。けがをすると、せっかくの休みに好きなことができなくなってしまいます。
三つ目は、お家の人の役に立つことを、何か一つやってみることです。年末は、どのお家もいつもより忙しくなります。
四つ目は、1月〇日に元気な姿を見せてくれることです。3学期は、今の学年のまとめの学期です。またみんなで、いい時間をつくっていきましょう。
3分版の最初の「学級でうれしかったこと」は、行事の結果より、ふだんの教室で見た場面を一つ選ぶのがおすすめです。子どもに書かせた2学期の振り返りがあれば、そこから拾うと、子どもたち自身の言葉に近い話になります。
2学期の振り返りの書かせ方や、振り返りカードの項目例は2学期の振り返りの書き方と例文にまとめています。
テーマ別の一言例文(生活リズム・けが・お手伝い・3学期)
例文の四つのお願いは、学級の様子に合わせて入れ替えて使えます。テーマごとの言い方を並べておきます。
生活リズム
冬休みが終わる日の朝、「起きられない」とならないように、起きる時間だけは決めておきましょう。
けが・事故
休みの間は、先生もお家の人も、いつもより見ていられない時間が増えます。自分の体は自分で守る、を合言葉にしてください。
雪や凍った道がある地域では、「凍った道は走らない」など、その地域で起きやすいけがを一つ具体的に入れると伝わりやすくなります。
お手伝い
お家の人に「ありがとう」と言われることを、冬休みの間に一つやってみてください。何をするかは、自分で決めてかまいません。
お手伝いの話は、家庭によって事情が違います。すでに家のことを多く担っている子もいます。「〇〇をしましょう」と中身を決めず、自分で選べる言い方にしておくと、どの子にも当てはまる話になります。
3学期への期待
3学期は短い学期です。2学期にできるようになったことを、3学期はもう一歩進めましょう。みんなとまた会えるのを楽しみにしています。
家庭によって違う話題は、話の中に入れない
「サンタさんに何をお願いした?」「お年玉で何を買う?」「冬休みはどこに行くの?」は、終業式の日によく出る話題です。ただ、クリスマスやお年玉、帰省や旅行は、家庭によって大きく違います。宗教や家庭の事情で縁のない子もいます。担任の話では「年末年始」「休みの間」とひとくくりの言葉を使い、どこで過ごしても当てはまる話にしておくと安心です。
通知表の渡し方|順番と場所を決めておく
私は、12月の懇談で保護者に通知表を見せておき、終業式の日に子ども本人に渡していました。渡すときに迷うのは、順番と場所です。
出席番号順だけにしない
いつも出席番号順に渡していると、最後のほうの子の待ち時間が長くなります。私はそれが気になって、ランダムな順で渡したことがあります。
順番を変える方法は、いくつか考えられます。
- 1学期は前から、2学期は後ろから、と学期ごとに入れ替える
- 名前を書いたカードをシャッフルして、その順に呼ぶ
- 座席の列ごとに、毎回違う列から始める
どの方法でも、事前に「今日は後ろの番号から呼びます」と伝えておけば、子どもは自分の番の見通しが持てます。
廊下で一人ずつ渡す
2学期の思い出をA4用紙にたくさん印刷して配り、そのあと廊下で一人ずつ呼んで、頑張ったことを伝えながら通知表を返したこともあります。
廊下で渡すと、ほかの子に聞かれずに一人ひとりと話せます。その分、一人1分でも学級の人数分の時間がかかるので、時間の目安を先に決めておくのがおすすめです。
12月の個人懇談で保護者に「4月からの成長」を伝えているなら、通知表を渡すときに同じ場面を子ども本人にも伝えておくと、家で通知表を開いたときに親子で同じ話ができます。懇談で話す内容の例文は、12月の個人懇談で話す内容と例文にまとめています。
教室に残った子が過ごす工夫
廊下で一人ずつ渡す間、教室に残った子の過ごし方も決めておきます。
- 配ったプリントを見る、冬休みの計画表を書く、3学期の目標を書くなど、一人でできる作業を黒板に書いておく
- 机の中やロッカーの片付けを、このタイミングで済ませる
- 受け取った通知表は、教室に戻ったらすぐにかばんにしまう
通知表は、教室では見せ合わない約束を先にしておきます。見せたくない子が、断りにくくならないようにするためです。
通知表を手渡すときの一言の例文
手渡しのときの一言は、評価ではなく、その子が2学期にしていた場面を一つ伝えるのが基本です。
基本の一言
2学期、〇〇の係の仕事を毎日続けていたね。先生、ちゃんと見ていたよ。3学期も楽しみにしているね。
評価が上がった子
〇〇の時間に、分からないところを自分から聞きに来ていたよね。それが通知表にも出ているよ。
評価が下がった子・落ち込みそうな子
2学期は〇〇が難しくなったけど、最後まであきらめずにノートを書いていたね。3学期は、そこから一緒にやっていこう。
評価が下がった子には、数字には触れず、取り組んでいた姿と「3学期は一緒に」を伝えます。その場で通知表を開かせず、家でゆっくり見られるようにしておくのも一つの配慮です。強く落ち込みそうな子については、終業式の前に保護者へ一言連絡しておくと、家で通知表を開いたときの受け止め方が変わります。
目立ちにくい子
毎朝、黒板の日付を書きかえてくれていたのを知っているよ。毎日続けるのは、すごいことだよ。
休みが多かった子
2学期、教室に来た日に〇〇していたのを覚えているよ。3学期も、来られる日を待っているね。
帰る前の締めの一言の例文
私は、帰る前の締めの一言で「元気な姿で3学期会おう」と伝えていました。
終業式の日の最後は、注意事項ではなく「また会おう」で終えるのがおすすめです。休み明けは、学校に来づらさを感じる子が出やすい時期です。最後に聞いた言葉が「待っている」であれば、そういう子にも届きます。
2学期、本当にありがとう。元気な姿で3学期会おう。さようなら。
冬休み、やり残したことがあっても大丈夫。1月〇日、教室でみんなを待っているよ。
2学期制の学校(冬休み前の最終日)
後期はまだ半分残っています。1月〇日、元気な顔でまたここに集まろう。
まとめ:終業式の日は「短い話」と「一人ひとりへの一言」
2学期の終業式の日に担任が学級で話すことを、流れに沿ってまとめます。
- 時間の流れ:担任の話→通知表→配布物→締めの一言。伝えたいことは通知表の前に話す
- 担任の話:生活リズム、けが、お手伝い、3学期への期待の四つ以内に絞り、短く。学級通信の冬休み前号とそろえる
- 通知表:順番は出席番号順だけにせず、待っている子の過ごし方を決めておく。一言は評価ではなく場面を伝える
- 締めの一言:注意ではなく「元気な姿で3学期会おう」で終える
- 2学期制の学校:「冬休み前の最終日」として同じ流れで使う
家庭によって違う話題は、ひとくくりの言葉に置き換えてください。冬休み前号の通信と終業式の日の話をそろえたいときは、学級通信 12月・冬休み前号の例文もあわせて使ってみてください。


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