「11月号、何を書けばいいんだろう」
運動会や音楽会が終わって、教室が少し落ち着いてくる11月。行事のことをどこまで書けばいいのか分からないし、ほかに大きな出来事もない。書き出しの一行が決まらないまま、時間だけが過ぎていく。そんな先生も多いのではないでしょうか。
私は元教員として10年働き、そのうち6年担任をしました。担任時代、学級通信は月に1回出していました。11月号は、ちょうど音楽会や運動会などの行事が終わったあとの号にあたっていました。
この記事では、11月の学級通信に使える書き出し、行事のあとの本文、日常の成長を伝える本文、締めの一文、保護者へのお願いを、コピーして使える例文の形でまとめました。4月から3月までの月ごとの流れは学級通信の例文まとめ(4月〜3月)で一覧にしています。この記事は、その11月号をくわしくした版です。
11月の学級通信は「行事のあと」と「日常の成長」で書く
11月は、秋の大きな行事が一段落し、学期の後半に入る時期です。学級通信のテーマは「日常のなかの成長」。ただ、行事が終わってすぐの号であれば、行事にまったく触れないのも不自然です。
そこでおすすめなのが、行事のあとの話から入って、日常の成長につなげる書き方です。
私も担任をしていた頃、11月号には行事のことを書いていました。中心にしていたのは、次の2つです。
- よい結果になったのは、みんなが協力して支え合ってきたからこそだということ
- これからの毎日にも期待していること
行事の結果や順位ではなく、そこに至るまでの学級の姿を書く。そして最後は「これから」に目を向ける。この流れにすると、行事の話がそのまま日常の話へつながります。
学習発表会や音楽会が11月にある学校は、本番の前の号(練習の途中の姿)と後の号に書き分けることもできます。
学級通信11月号の書き出し例文
書き出しは3〜4行で、季節か子どもの様子から入ります。〇〇は自分の学級の場面に置き換えてください。
行事が終わったあと
音楽会が終わって一週間がたちました。本番の舞台はもちろんですが、終わったあとの教室で「次は何をがんばろうか」という声が聞こえてきたことが、担任として何よりうれしい出来事でした。今号では、行事のあとの子どもたちの様子をお伝えします。
季節から入る
木々の葉が色づき、朝夕の空気がひんやりしてきました。登校してくる子どもたちの服装も、いつの間にか長袖が当たり前になっています。季節が進むのと同じように、教室の子どもたちも少しずつ変わってきています。
学期の後半に入ったことから入る
2学期も後半に入りました。9月に書いた「この学期にがんばりたいこと」のカードは、今も教室の後ろに貼ってあります。先日、そのカードを見ながら「まだ途中だな」と話している子がいました。目標を忘れずにいることも、立派な成長だと思います。
読書の秋から入る
読書の時間、ページをめくる音だけが聞こえる日が増えてきました。休み時間に、友だち同士で本をすすめ合っている姿も見かけます。秋の夜長、ご家庭でも「最近どんな本を読んでいるの」と聞いてみてください。
2学期制の学校は、「2学期」を「後期」に置き換えれば同じように使えます。
行事のあとに使える本文例文
本文は、エピソードを一つ選び、そこから見えた成長を書きます。行事のあとは、「協力して支え合った過程」から「これからへの期待」の順に並べると、まとまりやすくなります。
運動会のあと
運動会の〇〇では、練習の初めのころ、なかなか動きがそろいませんでした。うまくいかない日が続いたとき、子どもたちは自分たちで集まり、どこでずれるのかを話し合っていました。遅れがちな友だちに合図を出す子、列の後ろから声をかける子。本番のあの姿は、一人ひとりが周りを支えてきたからこその結果です。
この運動会で見えた「声をかけ合う力」は、毎日の授業や当番活動でもきっと生きてきます。これからの教室での姿にも、期待しています。
音楽会・学習発表会のあと
音楽会の本番、子どもたちは練習のときよりも一回り大きな声で歌い切りました。練習では、声が出にくい日もありました。そんなとき、隣の友だちに「出だしを一緒にそろえよう」と声をかける姿がありました。一人では出せなかった声も、みんなで支え合えば届く。それを子どもたち自身が感じた本番だったと思います。
行事は終わりましたが、ここで生まれたつながりは続いていきます。残りの2学期、この学級がどう育っていくのか楽しみにしています。
本番の前の号(11月に行事がある場合)
学習発表会まで、あと〇日になりました。練習では、自分の出番が終わったあとも、友だちの場面を真剣に見ている子が増えてきました。舞台に立つのは一人ひとりですが、つくっているのは学級全体です。当日は、子どもたち同士のやりとりにもぜひ目を向けてご覧ください。
行事のあとの号では、結果や順位は書かずにおきます。保護者が読みたいのは、わが子がその場でどう過ごしていたかです。目立たない役割を担った子の頑張りを一文入れておくのもおすすめです。
日常の成長を伝える本文例文
行事のない11月こそ、ふだんの教室を伝える機会です。大きな出来事でなくても、4月と比べた小さな変化を一つ書けば十分な本文になります。
授業の一場面
授業の話し合いで、ある子が「〇〇さんの考えに付け足しで」と手を挙げました。4月は、自分の意見を言うだけで精一杯だった学級です。いまは、友だちの考えを聞いたうえで、それにつなげて話そうとする姿が見られるようになりました。
係・当番活動
朝、担任が教室に入る前に、黒板の日付が書きかえられています。係の子が自分で気づいて書いているそうです。〇〇係の子たちは、ほかにも「次は何をしようか」と相談しながら活動を増やしています。言われる前に動く力が、少しずつ学級に広がっています。
名前を出すかどうかは学校の方針に合わせます。出さない場合も、特徴から誰のことか分かる書き方は避けます。
子どもの振り返りを載せるときの例と配慮
私は担任時代、子どもの作文や振り返りの文を、名前を伏せて一部だけ抜き出し、通信に載せていました。11月は行事の振り返りを書く機会が多く、材料が集まりやすい時期です。担任が説明する文章とは違い、子どもの言葉には教室の空気がそのまま表れます。
載せるときは、次のような形にします。以下は説明のために作った架空の例です。
【子どもたちの振り返りから(例)】
・「最初はうまく合わなくて、もうだめかと思ったけど、みんなで何回も練習して、本番は一番そろった。」
・「自分の出番じゃないときも、友だちを応援できたのがよかった。」
・「終わったあと、友だちに『ありがとう』と言われてうれしかった。」
抜き出した文の前後には、担任から一言添えます。「どの振り返りにも、友だちのことや『みんなで』という言葉がたくさん出てきました」のように、学級全体の姿としてまとめると、通信の本文とつながります。
載せるときに気をつけたいことも、まとめておきます。
- 本人に了承をとる:書いた本人に「通信に載せてもいいか」を確認する。年度の初めに、保護者に掲載の了承をとっておく方法もある
- 一部だけを抜き出す:全文ではなく、気持ちが表れている一、二文に絞る。家庭の事情や友だちとのトラブルが分かる部分は載せない
- 特定されない形にする:手書きをそのまま載せずに打ち直す。名前は出さず、内容から本人が分かってしまう部分は省く
- 全員がどこかで載るように回す:名簿に載せた日を記録しておき、1年のどこかで全員の言葉が一度は載るようにする
全員が載るように回しておくと、「うちの子の言葉は載っていない」という不公平感を防ぐことにもつながります。
締めの一文と保護者へのお願いの例文
締めは2〜3行です。行事のあとの号なら「これからへの期待」、日常の号なら「季節・体調」か「次の月への見通し」で締めると収まりがよくなります。
締めの一文
- 「行事で育った力が、これからの毎日でどう生きていくのか。引き続き、教室での姿をお伝えしていきます。」
- 「大きな出来事がない月にも、子どもたちは確かに育っています。小さな変化を、これからも見つけていきます。」
- 「2学期の終わりが見えてきました。まとめの時期に向けて、一日一日を大切に過ごしていきます。」
行事への協力のお礼
先日の運動会では、温かい声援をありがとうございました。準備や片付けにご協力いただいたことにも感謝しています。ご家庭でも当日のことを話題にして、お子さんの頑張りを認めてあげてください。
寒くなる時期のお願い
朝晩の気温差が大きくなってきました。脱いだり着たりしやすい上着を持たせていただけると、教室でも調節しやすくなります。上着には名前の記入もお願いします。落とし物が増える時期なので、学校でも声をかけていきます。
振り返りの掲載についてのお知らせ
今号から、子どもたちが書いた振り返りの一部を、名前を伏せてご紹介していきます。掲載を控えてほしい場合は、担任までお知らせください。
お願いは一つの号につき一つか二つに絞り、「〜させてください」ではなく「〜していただけると助かります」の形で書きます。
前の年の通信を使い回さないために
ここは、私の反省も込めて書きます。
担任時代の私は、ネタのメモを取らずに、前の年の自分の通信を参考にして毎月の号を書いていました。
いま思えば、今年の子どもたちの実態に合わせて書くべきでした。行事の名前が同じでも、そこで起きたことや学級が育ったところは年ごとに違います。
前年の通信やこの記事の例文は「書き出し・本文・締め」の骨組みとして使い、中身は今年の場面に差し替えてください。そのために、次のような準備をしておくと楽になります。
- 行事の振り返りを集めたら、通信に使えそうな一文に印をつけておく
- 日々の小さな場面を、スマホのメモに1日1行だけ残す
- 通信を書く前に、「4月と比べて変わったこと」を3つ書き出してみる
ネタの集め方や、通信を短い時間で書く工夫は学級通信のネタ切れを防ぐ構成テンプレと時短術でくわしく紹介しています。
また、3学期制の学校では、11月は2学期の所見の準備が始まる時期でもあります。通信のために拾った行事の場面は、そのまま所見の材料になります。行事の場面を所見でどう書くかは、通知表の所見 運動会・学習発表会の書き方に文例をまとめています。通信では学級全体の姿を、所見では一人ひとりの姿を書くと考えると、同じメモを2回使えます。
まとめ:11月号は「行事のあと」から「これから」へつなぐ号
11月の学級通信で押さえておきたいのは、次のことです。
- テーマは「日常のなかの成長」。行事のあとの号は、行事の話から日常へつなげる
- 行事は結果ではなく、協力して支え合ってきた過程を書き、これからへの期待で締める
- 行事のない号は、4月と比べた小さな変化を一つ書けば十分
- 子どもの振り返りは、了承をとり、名前を伏せて一部だけ載せる。全員がどこかで載るように回す
- お願いは一つか二つに絞り、前向きな形で書く
- 例文や前年の通信は骨組みだけ借りて、中身は今年の子どもの場面にする
11月は書くことがないように見えて、実は「ふだんの教室」をいちばん伝えやすい月です。ほかの月の書き出しや締めの例文は、学級通信の例文まとめ(4月〜3月)にまとめています。
翌月の12月号と、別に出す冬休み前号の例文は学級通信 12月・冬休み前号の例文にまとめています。
📝 所見の文例をもっと手元に置きたい先生へ
11月は、学期末の所見の準備が見えてくる時期です。通信のために拾った行事の場面や日常の変化は、そのまま所見の材料になります。書くことが見つからない子の文例、課題が多い子のネガ→ポジ言い換え表、運動会・学習発表会など2学期行事の文例、締めの一文、提出前に使えるNG表現チェックリストをまとめた文例集をnoteで公開しています。3分メモに使えるWordの記録用紙も付けました。
この記事の例文だけでも11月号は書けるように作ってあります。通信と所見の材料をまとめて手元に置き、学期末の作業時間を少しでも短くしたい方は、のぞいてみてください。
▶ 書くことが見つからない子・課題が多い子の所見文例集(2学期・後期版):https://note.com/bobopapa07/n/n4bfca8f52879


コメント